額縁を吊るす時、一個のフックで吊るしていませんか?

普通はそうなんです。
展示会や個展、ギャラリーでも通常は1つのフックで吊るすのが一般的でけっして間違っていません!
ただ建物は 耐えず揺れているのをご存知でしょうか?

例えば左右のバランスを調整したはずの額縁が数日後傾いていたりします。

これは建物が揺れて額を傾けてしまっているために起きています!

調整しても額縁の下の部分と壁の摩擦で何とか額縁が水平になっているだけで、実際には左右の重さが微妙に違い 時間とともに重い方がしたに下がってくるとと言う現象です。

実際に紐もフックとの摩擦も少ないので 紐自身がずれている可能性もあります。

長期の展示をお考えの場合は すこし考察が必要なように思います!

解決策として額縁工房として、2つの方法を提案させていただいております。

(額縁を下から受ける方法は壁の傷を増やすのと、額縁の変更をしたときに 額受け金物を付け替えないといけない可能性が多いので 今回はこの方法は省きます。)

1)2つのフックで1つの額縁(フレーム)を吊るす!

下図のように、1つの額縁に2つのフック(あるいは、ワイヤーフック)をご使用ください。
フックを2個使って吊るすと、左右のバランスが取りやすく傾きが軽減されます。
(フックを3点にしても、中央のフックには加重がかからないので、傾きに対する影響も意味は無いので2点以上は必要ないと考えます。)

額縁とフック1つ付けた時の相関図
額縁とフックの相関図1

 

額縁とフック2つ付けた時の相関図
額縁とフック×2の相関図

 

2)額縁の裏に裏ゴムを付ける!

この方法は 額縁の裏の足元にずれ止めの額縁裏ゴム(ゴムパッキン)を貼り付けておきます。
額縁がずれた時にクロスなど壁を傷つけないという利点もありますのでお薦めです。

このゴムを付ける時は 額縁の下についている吊り金具は外してください。

大きな吊り金具だと ゴムより吊り金具が当たって壁(クロス)を傷付けてしまいます。

アート館で取り扱っている額縁裏ゴムは 壁(クロス)にゴムの跡が付かない特殊ゴムを使用していますので、お勧めです!

 

注意:

まれに 額縁の裏の吊り金具の位置を変える方がいますが お勧めできません。

吊り金具は通常額縁の高さの1/3に取り付けられています。

この位置は 額縁の重さを利用して壁に額縁の荷重をもたれかからせるようにしているためです。

摩擦が発生して額縁を固定します。

額縁の上に付け替えると お考えのとおり 額縁の足元が浮き額縁が浮いた状態になります。

ご注意ください♪